片思いの空
あーあ…
なんかあっという間だったなぁ



駅までの道を複雑な思いで歩いていた




「優介」




その声で私たち3人は一斉に振り返った






大きく手を振りながら駆け寄って来る人





「亜美」





やっぱり
あの人優介君の彼女さんだ





「何してたの?」



亜美さんはそう言うと
わたしと和馬をちらりと見た




「買い出し、この前言ってた」




「あー!!あれね!!委員会の…


それでさやちゃんだったよね?」



じーっと亜美さんを見ていると
いきなり話が私にまわってきた




「あっはい」





驚いたように亜美さんを見つめていると




「優介と仲良くしてくれてありがとね」




亜美さんはにっこり微笑んだ




胸が痛む

優介君にはこんな素敵な彼女さんがいるのに


諦めきれない自分がいる




「これからも良い友達でいてあげてね」




口を固く閉ざして俯いていたわたしに


その言葉は強く響いた



"友達"
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