片思いの空
ドンッ


大きな物音



ひぇえええ


「幽霊さんごめんなさあああああい!!」




目から涙が出る
足は震えて力がでない




「…プハッ」



棚の裏から吹き出したような声



「ゆっ…幽霊さん!?」



びっくりして声が裏返った



「プッ…あははっ」



聞いたこともない人の笑い声




幽霊って笑うんだ…




そう思いながら見つめていると



ぬっと
大きな人影が…



「でたあああああっっ!!」


手で目を覆いなるべく見ないようにした




ポンッ



ビクッ
何かが頭にふれた



「ふぅー…脅かしてごめん」


笑い疲れたような声




恐る恐る顔をあげると
男の子が居た



ん?
なんだか見たことあるような顔




「にっ人間ですか?」



それを聞いて男の子はお腹を抱えて声を押し殺したように笑う




どうやら本当に人間のようだ



「あっあの…」



戸惑いながら声をかける


「あっ…ごめん」


そう言って顔をあげた男の子


本当にどこか見たことあるような…
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