心の隙間風
溜息をついて私は電源を切った携帯を鞄に向けて放った。
本当に胸糞が悪くて、ソファに寝転がり、目を閉じた。
は、と目を覚ませばもう綺麗な夕焼けが見える。
携帯を探して、鞄の所に置いたんだと思い出して、リビングに掛かってる時計を見る。5時を過ぎていた。
夕飯の支度をしなければ、ともそもそとソファから起き上がり、鞄の上から取り上げた携帯の電源をおもむろに付ける。
私は台所でまな板を引っ張り出し、冷蔵庫から野菜を取り出す。
その頃になって電源が付いて一段落したのだろうか、携帯のバイブレーションがエプロンのポケットで響き、メールが着たことを告げた。
私は携帯のディスプレイを見て落胆した。新着メールの4件全てが、メルマガだったからだ。友人からのメールも一通位あってもいいのに、と思いながら人参を包丁で切っていく。