First love~awaikoi~


その人は、すぐに目についた。

同じ電車から降りて来る人は、

大勢いる。でも、

その人は「特別」だった。

私の胸は、まるで思いっきり

走った後のように、高鳴っていた。

バス乗り場には、ちょうどバスが

来ている。

その人が足早に歩いて行くのを見て、

私はかけだした。

バスは、途中まで、すごく混んでいる。

―――私は、たいていもっと早い時間に

帰るので、こんな混み方は、あまり経験

したことがなかった。

これじゃ、さがすにさがせない。

―――少し焦ったけど、降りるのが

どこか分かっているから、落ち着いて、

立っていることにした。

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