First love~awaikoi~
雨の日
雨は、いじわるな先生の質問のように、私
の上に降り続いていた。
―――私の上にだけ、沢山降ってるんだ、
と私は思った。
用心深い私の性格からいって、当然今日の
ように朝から雲が―――それも灰色の、
重たげな雲だった―――出ているときには、
傘を持って家を出る。
それが、今日の朝は・・・・・・。
お父さんは、顔を合わせても「おはよう。」とも
言わず、お母さんはイライラして、私に当たる。
そんなときは、こっちも負けずに言い返せばいいんだ、
と・・・・・・いつも考えてはいるけど、私はつい、
何とかお父さんとお母さんに話をさせようとして、
素直にニコニコ笑ったり、たいした用もないのに、
二階の自分の部屋へ、
「忘れ物した!」
と、言って駆け上がったりする。
お母さんはそれでやっと笑ってくれた。
苦笑いだったけど、とにかく笑いには変わりない。
私は、その笑顔を見て、少しホッとして家を
出ようとした。
でも、そのときに―――。
雨は、終わることのないお母さんのグチ
のように、私の髪、制服のブレザー、
そしてその下のブラウスまで、すぐにしみて
まだ落ち続けている。
十一月に入っての、冷たい雨は、すっかり私