風神I
そんなことを思いながら風雅に続いて高級車に乗り込んだ。
運転手は来たときと同じでハゲにサングラスというヤのつく職業が似合いそうな人。
お願いしますと頭を下げると運転手も慌てて頭を下げてきた。
なんでそんなに慌ててんの?
「あの、○×公園で降ろしてくれればいいですから。」
「タメだ。家まで送る。」
運転手に言ったはずなのに答えたのは風雅だった。
しばらく公園か家かで言い合っていたあたし達だったが風雅が引きそうにもないので結局あたしが折れるかたちになった。
あたし達の言い合いを見ていた運転手はハラハラしながらあたし達を見守っていた。