風神I
「あっっ!!」
突然、景色を見ていた女が声をあげた。
「どうしたの?」
パソコンを操作していた男が顏をあげ問いかける。
「ちょっと見て!今から登校してきた子がいるわよ!!」
「どうせ、あいつだろ。また女と遊んで遅刻してんだよ。」
「違うよ、あいつじゃない!!こっち来てみ
てよ。」
女はトランプをしていた3人を引っ張り柵のところへ連れてきた。
女が景色を見ていた場所は、グラウンドから校門、テニスコートまで学校全体が見渡せる場所だった。
「マジだ…、しかも女じゃねぇかよ。」
「ねっ!!言ったでしょ。」
女は得意げに声をあげた。
「「すごい度胸あるねぇ~」」
同じ顏でおそらく双子であろう二人が声を感心したように言った。