風神I




「ちょっと!どこ行くのよ!あたしの質問に答えなさいよ!」




「……………便所行ってくる。」




男は女の質問にいっさい答えずに屋上をあとにした。




「逃げられたな。」





落胆する女に男が声をかける。




「「いっつもこの質問すると逃げられちゃうよねー。」」




双子が声を揃えて言う。




「だな、なんか聞かれてまずいことでもあんのか?」




「いつも無表情のくせにあんなときだけ気まずそうな顏するんだもの、絶対なにかあると思うんだけどね。」




女はじれったそうな顏をして言った。




「まぁまぁ、あいつだって聞かれたくないことの1つや2つあるさ。その内話してくれるよ。」




パソコンを終えた男は微笑みながら他の4人を静める。




「「しょうがないなー。もうちょい待っといてあげよっか。」」




双子も納得したように言うとトランプをかたずけはじめ、今度はなにをして遊ぶか相談し始めた。










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