風神I




氷真の指先をたどっていくと床には血の後が一滴残っていた。








「これが?」




あたしは無表情で聞いた。




「わかんねぇのかよ!!」




氷真は信じられないといった感じであたしに詰めよってきた。




「きっとこれは誰かが殺されて、犯人がその死体を担いで運んだ痕跡なんだ。」




氷真は顎に手をあてて名探偵がしていそうなポーズをとりながら言った。






「でもよ、どうして担いで運んだってわかるんだ?」




あたしも思っていたことを紫音が聞いてくれた。








「よくぞ聞いてくれた、小林少年!!」




氷真は待ってましたと言うふうに大声を出した。








< 214 / 380 >

この作品をシェア

pagetop