風神I
「どどどどどうしたんだよ!!この傷!!」
氷真はあたしの傷を見て慌てている。
五月蝿い…
殺人事件(?)でウキウキしてたくせに、こんな切り傷ごときで慌ててどうすんだよ。
「下駄箱ではさんだ。」
本当のことを言ったらもっと五月蝿くなりそうなので適当に嘘をついた。
「なんだよ。どんくせぇなぁ。」
氷真は呆れたように言うとポケットから一枚の絆創膏を取り出した。
「これ貼っとけよ。」
氷真はあたしに絆創膏を渡してきた。
「ありがと。」
あたしは氷真から絆創膏を受けとると指にはった。
少し女として氷真に負けた気がした。