風神I
「行くぞ。」
風雅はそう言って、車に乗りこんだ。
あたしも風雅に続いて車に乗り込んだ。
相変わらず静かな車の中。
とくに何も話すこともなく車はあたしの家に向かって行った。
「つきました。」
秀平さんの声であたしは目を覚ました。
どうやら眠っていたらしい。
「ありがとうございます。」
そう言ってあたしは車から降りた。
が、なぜか風雅まで降りている。
「どうしたの?」
あたしが聞いても黙ったままだ。