風神I
しばらくあたしも風雅も黙ったままだった。
先に声をだしたのは風雅だった。
「お前、最近変わったことないか?」
風雅の言葉に一瞬ドキッとしてしまった。
「別になにもないけど。」
あたしは平然と言った。
氷真達が手紙のことを言ったのか?と思ったけどあの二人は約束を破るようなやつじゃない。
風雅はじっとあたしを見ていたが、ふいに目をそらした。
「何かあったら、言ってこい。」
そう言うと風雅は車に乗り込んだ。
あたしは風雅が乗った車が去って行くのをただ見ていた。