風神I
あたしが勝手に決めていいのかわからないけど、あんな涙声で言われたら行くとしか言えない。
『本当!!』
「うん、まぁ…」
『やったー!!勝広、真城姉ちゃん今日来てくれるって!!』
さっきまで涙声だったくせに、今はめちゃくちゃ元気じゃん。
『やったな!!昌人!!』
電話の向こう側から勝広の声が聞こえる。
勝広もいたのか。
て言うか、
「ねぇ、どこから電話かけてるの?」
今の時間帯はまだ小学校だってやってるはずだ。
『今日、創立記念日でお休みなんだ!!今、いつものテニスコートからかけてるんだ』