風神I
「真城、大丈夫か?保健室行くか?」
「大丈夫。もう痛くないから。」
腕を見ると少し赤くなっていた。
「赤くなってんじゃん。おい、紫音…」
「わりぃ…」
ツンツン野郎が紫音を睨むと紫音はシュンとなった。
まるで犬だな…
それよりも何となく帰るタイミングを逃してしまった。
「とりあえずさ、座らねぇ?体育館のはじっこでいいからさ。」
あたし達は体育館の隅っこに三人で座りこんだ。
真ん中があたしで右側にツンツン野郎、左側に紫音とかいうやつ。
あたしが逃げないようにしてるみたいだ。
別に逃げたりなんかしないのに。