風神I




「真城ちゃん、またね。」




水埜さんは最後あたしに手を振って屋上を後にした。










「…嵐のようなやつだったな。」




「「いつもだけどね。」」




水埜さんが去った後の屋上は少しの間静まり帰っていた。











「でも、真城が来てくれて助かったな。」




「確かに、空気悪かったもんね。」




旭と大の言葉にあたしは首を傾げる。




「どうして?」




「いや、ほら…その…、」




「暗かったというか、怖かったというか…」




皆の視線はチラチラと風雅に向かっているがあたしは気づかない。




頭の中に?が増えるだけだった。










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