風神I
「それは、ふう…ヒッ!!」
旭が途中までいいかけて止めた。
視線の先には恐ろしい顔で旭を睨む風雅。
もしかして…
「風雅が買うように言ったの?」
あたしの問いに風雅はバツが悪そうに顔を逸らす。
「……………あぁ。」
顔を逸らしたままで言う風雅。
少し耳が赤い。
「ありがと。」
嬉しかったあたしは素直にお礼を言った。
風雅はあたしの方に顔を向け直して静かに微笑んだ。
相変わらず無表情でも笑ってもカッコいいやつだな。