風神I
「君、名前なんって言うの?」
男が聞いてきた。
「人に聞く前に自分からいってよ。」
あたしがそう言うと男はビックリした顏になって言った。
「俺のこと知らないの…?」
「どっかであった?」
男はあたしの言葉に少し固まったけどすぐに動きだした。
「俺、千堂 馨(センドウ カオル)っていうんだ。馨って呼んで。」
馨はそう言って笑った。
「あたし、佐倉真城。」
「真城か、いい名前だな。」
「ありがと。」
いい名前かはわからないけど、自分的には気に入っている。
「それより真城、こんな朝はやくになにしてたんだ?」
馨が聞いてきた。