風神I
あたしはじっと、水埜さんを見つめた。
「あぁ、それはね。昨日の入学式のとき真城ちゃんが遅刻してくるのをここで見てたのよ。」
水埜さんはニコニコと言った。
「ここで?」
でも、みんな式に出てたはずじゃ…
「あっ。そう言えばあたし以外にも7人来てない人がいるって。」
「それは俺達のことだよ。ほんとはもう一人いるんだけどね。今日はもう来ないみたい。」
空良が言った。
「俺達の場合は朝学校に顏だしときゃいいの。」
気を落ち着かせた旭が言ってきた。
ますます訳がわからなくなったあたしは眉間にシワをよせて考えた。