君のためにできること
君との奇妙な生活が始まっても僕の地獄は終わらなかった。

先に気付くべきだったね。男と女が一緒になって暮らすのは簡単なことなんだ。
ただ生きていくことはとても難しい。ただ愛されるために生れた存在なのであればこそ僕は、その事象のことで苦しく悩んでいた。僕は君から全てを与えられることで罪悪感のようなものが生まれてしまったんだ。

つまり…男と女が共に生きて行くにはお互いに優位なものがないといけないんだ。
あの頃の僕には君に対してなに一つ誇れるものがなかったから…
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