君のためにできること
「実は今…品薄でね…纏めて欲しいならあとこれくらいは欲しい…」

そういいながら光条は左の手の平を広げてこちらに翳した。

「…ご…ごじゅう…」

「まさか…あと5万でいいですよ。」

「それならなんとか…大丈夫です。」

「急なんですが明日中に用意できますか?」

「…なんとか用意します。」

「ありがとございます。僕の名刺を渡しておきますので金が出来たら連絡下さい。あと…」

光条は、懐から袋を取り出して、テーブルの上におく。

「今あるこれだけ…差し上げます。つなぎにでも遣ってください。」

感謝の言葉を述べているが、その表情はほぼ変わらず微かに口角が上がったくらいだった。相変わらずの鋭い目つきで僕をみつめて言ってきた。


僕は、机に置いてある名刺を見た。

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