君のためにできること
―芹沢 孝明(セリザワ タカアキ)―

本名だろうか、僕の知らない名前の名刺をみせられた。

「あっ…あの…僕…実は…」

僕は、店で与えられた名刺を光条に見せた。

「驚いた。僕の店で働いてたんだ。気付かなかったよ。すまないね。」

「いえ…まだ入ったばかりで…会ったことなかったですし…」

僕は、名刺とクスリを懐にいれ再び言う。

「ありがとうございます。金はすぐに用意します。用意ができたら連絡しますね。」

「よろしくたのむよ。」

光条はそういうと、僕が渡した30万が入った封筒を懐にしまい。席をたった。

「あ、…くれぐれも厄介なやつらにはみつからないように頼むよ。」

入口の前で振り返り、また口角を上げてそういう光条。厄介なやつらとは警察のことだとは直ぐに察しはついた。
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