君のためにできること
夕方のうす暗さよりもさらに暗い入口へと向かう。

受け付けに女性の方がいた。
その女性も同じようなTシャツを着ていて、ちょっと親近感がわいてきた。
その女性にチケットを渡して、入場した。

薄暗いこの通路の壁にはそこら中に張り付けてあるバンドグループのフライヤー。
こんなにも沢山のグループがいるのかと思いながら通路を行く。

通路の先には扉があるが中からは防音しているのか全く音がしてこない。
その扉を抜けるとそこには、

学校の教室ほどあるフロア。

ライトアップされたステージ。

そしてまだ開始前ではあるのに半分以上を占める客。

パイプ椅子とか置いてあって座るものかと想像していたが、立って音楽を聴く。
観客は僕の予想とは異なり、いろいろなファッションの人がいた。

街を出歩くような普通のストリートカジュアルファッション、
僕と同じようなロック調の服を着ていた人もいたが、
僕とは違いとても似合っていた。

そんな僕は、普段着ない服を着ていて恥かしさがでてきた。


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