君のためにできること


「ダサッ・・・・何その格好」


あいさつすらまだしていないのにいきなり先手を打たれて僕は戸惑う。
しかも笑いながら言うならまだしも、引きつった顔をしていて、さらに僕の心を打ち砕いた。


「うるさいなぁ、わからなかったんだよ。ロックってどんな服着ればいいか。」


「いいじゃん、いつも着る服で、上はいいとしても、下がチノパンでスニーカーって・・・ダサすぎだから。」


そのころの僕は自分の服装などあまり気にもしていなかったのですべて母親に揃えてもらってたが、このことがきっかけで僕はお小遣いをためて自分で洋服を買うようになった。


「それはそうと、ちゃんとあたしのライブ見てくれたんだよね?」


彼女はそれを聴くと表現せず、見ると表現した。その部分も彼女の志の強さを表していた。


「あぁ、みたよ。やるじゃん。小橋たち見に来た人たちいっぱいいたね。さっきここで話ししてた女性も、小橋のファンのこなの?」


「ファン?まだまだ、そういう人とかはいないんだなぁー、彼女たちとも一緒にやるときがあるから今日は応援に来てくれたんだよ。」


「他のグループでもやってるの?」



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