君のためにできること
緊張していたが、彼女がステージでどんな顔するか楽しみにでもあった。
「それから、岳。今度は服装バッチリだね!あたしがコーディネートしたかいがあったでしょ」
前に一緒に買い物をしに行ったときに、選んでもらったパンツを履いてきた。
靴もスニーカーじゃなくてブーツ。
かなりブカブカだが須藤さんに貸してもらった。
そして、上はroseのオリジナルのTシャツ。
ドクロにいばらが蛇のように絡まっていて目のあたりに真っ赤なバラが咲いてとてもいかついTシャツ。
でも自分で言うのもおかしいが似合っていると思った。
「ステージは魅せるものだからね。い・まの岳はカッコイイよ。」
「いまって強調すんのやめろよ」
笑う彼女。
そして彼女も同じTシャツを着て、下は、赤と黒のチェックのハーフ丈のパンツにロングブーツ。彼女もまたとても似合っていた。
遠くの方で聴こえるような音響が停止し、拍手が巻き起こる。
僕たちの前のグループの演奏が終了したようだ。
ついに僕たちの出番。
「華蓮、岳!俺達の出番だぜ。準備しろ!」