君のためにできること

次の日の月曜日。

クラスでの話題はもちろん彼女。みんなはどうやらちょっと彼女の事が怖かったらしく近づけないでいたようだった。
そんな彼女を今はみんなで囲んでいる。

「小橋、ほんとカッコよかった!」

「曲もよかったよねぇー」

「CDとかあるの?」

「またライブあったら教えてね。」

彼女は、少し戸惑いながらも笑顔で答えている。
サプライズは大成功だった。そして僕の初ステージも。緊張はかなりしていた。

だけど後から気付いたけど僕にとってもクラスのみんながいてくれたことは心の支えになっていた。

みごとに3曲ともノーミスでベースを奏でることができたんだ。

「小宮山の演奏もちゃんとみてたぞ。」

「小宮山君、ステージ初めてだったんでしょ?全然そうは見えなかったよ。」

僕もこのライブがきっかけでもっとクラスに馴染むことができた。

クラスに馴染んだ僕たちだったが、付き合っていることまではみんなに言えなかった。
まだあの頃は付き合うとか軽々しくできない年だったから。

それになんとなく言いづらかった。彼女はどうだったかわからなかったけど、こんな秘密めいたことがあってもいいんじゃないかとも思っていた。
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