君のためにできること

「ちょ…岳?」


僕は不思議がる彼女に少し強引にキスをした。
唇と唇が軽く触れ合う程度のキス。

彼女は驚いて、すぐに離れ、僕を見つめる。
僕を見つめるその瞳はどこにでもいる普通の女の子だった。


「これが誕生日プレゼント…じゃだめかな?」


驚いていたが、彼女は怒ったそぶりをみせる様子もなく言った。


「バカッ!なるわけないじゃん…岳がしたかっただけでしょ…」


「ん…まぁーそうかな…」


冗談混じりに、手で頭を掻きながらそう答えた。


「ったく…初めてのキスがこれになっちゃった…」


「俺もそうだよ。」


「それならもっと考えてよ!」


「じゃぁ、もう一度…」


僕たちは、そう言いながらも初めての体験に嬉しさを覚え、もう一度改めてちゃんとキスをした。

< 47 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop