君のためにできること
「ちょ…岳?」
僕は不思議がる彼女に少し強引にキスをした。
唇と唇が軽く触れ合う程度のキス。
彼女は驚いて、すぐに離れ、僕を見つめる。
僕を見つめるその瞳はどこにでもいる普通の女の子だった。
「これが誕生日プレゼント…じゃだめかな?」
驚いていたが、彼女は怒ったそぶりをみせる様子もなく言った。
「バカッ!なるわけないじゃん…岳がしたかっただけでしょ…」
「ん…まぁーそうかな…」
冗談混じりに、手で頭を掻きながらそう答えた。
「ったく…初めてのキスがこれになっちゃった…」
「俺もそうだよ。」
「それならもっと考えてよ!」
「じゃぁ、もう一度…」
僕たちは、そう言いながらも初めての体験に嬉しさを覚え、もう一度改めてちゃんとキスをした。