君のためにできること

中3の夏休みも終わりに近づいた頃、

僕はテニスの中体連の試合で朝から晩までひたすらテニスに打ち込んでいた。
もちろん、彼女ともずっと会えずにいた。電話やメールのやりとりはしていたけど、彼女がどうしているか不安だった。案の定その不安が僕たち二人を引き裂いた。

彼女は僕以外の人とも平気でセックスをするようになった。
ライブで知り合った高校生やもっと年上の人とも。彼女にとってセックスは愛情表現ではなく、自分を表現するもの。自由を手に入れるための手段。彼女の中でそれが確信のものへと変わっていってしまった。
僕にはそれに耐えることができなかった。彼女のことが理解できずに責めたんだ。

「華蓮!いろんな人から聞いてんだよ!」

彼女は俯いたまま黙っている。

「俺のことが好きなんじゃないの?他の奴と…ヤルなんて…」

それでも彼女は黙ってる。

「おい!何とか言えよ。俺がバカみたいじゃん。」

「・・・ざい・・・」

「なんだよ!」

彼女は怒りがこもった眼で僕を睨んで言う。


< 51 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop