君のためにできること
僕と彼女は、別れることになった。

もちろん【rose】からも抜けるつもりでいた。

しかし数日後には僕は再び彼女を抱いていた。体は正直なのか、彼女の体を温もりを忘れることができなかった。欲望に掻き立たれて。僕は彼女と友達に戻ったのだ。
彼女が言ってたことが少しわかったのかもしれない。俗に言うセックスフレンドというものに僕は成り下がったんだ。

また、彼女の音楽性というものにも惹かれていたのかもしれない。【rose】を僕がせっかく苦労して憶えたベースを手放すのが惜しいと感じて。

とにかくぼくは彼女との関係を終わらせたくなかった。



そして、その関係のまま僕たちは中学校を卒業した。

僕は予定通り、テニスの推薦で強豪と言われている高校へ。彼女は高校には通わずに、アルバイトをしながら本格的に音楽活動をやり始めた。

そんな曖昧な関係だった僕たちは自然と疎遠になっていったんだ。
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