君のためにできること
夕日が沈みかけた渋谷の道玄坂。街は仕事帰りのサラリーマンで溢れかえっている。
大学の5限目は嫌いな数学の講義だったから抜け出してクラブへ行っていた。
一緒に行った岡村恭介が言う。
「なぁー岳…どーだったあのこ?」
岡村恭介(オカムラ キョウスケ)
専攻している学科もテニスサークルも一緒で入学当初から仲良くなった友達。恭介も特に何も希望を持たずにこの大学にきてただなんとなくそれなりの生活を送ろうとしているやつで、そんな恭介と一緒にいるのが楽しかった。気が楽だったからなのかもしれない。とても馬が合う。
「んー…40点…」
「何その微妙な点数…ってかワルだねぇー採点なんかしちゃってさ。」
恭介は苦笑いして僕に言ってきた。
「合わなかったってことさ。」
「合う合わねーの問題じゃないでしょー…あのこ、ルックスは完璧だったじゃない?」
「そーかぁ…喘いだ顔なんてアユにそっくりだったぜ。」
「いいじゃん、アユ。表情が似てたってこと?」
「ちげーよ。喘いでパクパクする口が魚のアユに似てるってこと。」
僕は口をパクパクさせて女の真似をした。
「うわぁー…えげつねぇ…ってかほんとにヤっちゃったんだ」
「向こうはノリノリだったよ。マジになってきたからシラケちゃってさ。」
「マジって…じゃぁ何、岳、お前あの子に告白されたってこと?」
「あんなん告白じゃねーな。『中に出して~』だぜ。」
「あーあぁ…岳が羨ましいよぉーあんな子とヤレちゃうなんてさー俺なら即OKだね。…なぁー紹介してよ。番号は交換したんだろ?」
「誰がするかよ。メールとかくんのうざいし。」
「マジかよぉー…俺狙ってたのに…」
「止めとけ止めとけ、あの女はめんどくさいタイプだぞ。」
「なんでわかるんだよ。」
「たぶん男いるからな。」
「そーなの?聞いたの?」
「いや…ただ何となくね…でも間違いない。」
それを聞いた恭介は落胆して背を丸くした。
大学の5限目は嫌いな数学の講義だったから抜け出してクラブへ行っていた。
一緒に行った岡村恭介が言う。
「なぁー岳…どーだったあのこ?」
岡村恭介(オカムラ キョウスケ)
専攻している学科もテニスサークルも一緒で入学当初から仲良くなった友達。恭介も特に何も希望を持たずにこの大学にきてただなんとなくそれなりの生活を送ろうとしているやつで、そんな恭介と一緒にいるのが楽しかった。気が楽だったからなのかもしれない。とても馬が合う。
「んー…40点…」
「何その微妙な点数…ってかワルだねぇー採点なんかしちゃってさ。」
恭介は苦笑いして僕に言ってきた。
「合わなかったってことさ。」
「合う合わねーの問題じゃないでしょー…あのこ、ルックスは完璧だったじゃない?」
「そーかぁ…喘いだ顔なんてアユにそっくりだったぜ。」
「いいじゃん、アユ。表情が似てたってこと?」
「ちげーよ。喘いでパクパクする口が魚のアユに似てるってこと。」
僕は口をパクパクさせて女の真似をした。
「うわぁー…えげつねぇ…ってかほんとにヤっちゃったんだ」
「向こうはノリノリだったよ。マジになってきたからシラケちゃってさ。」
「マジって…じゃぁ何、岳、お前あの子に告白されたってこと?」
「あんなん告白じゃねーな。『中に出して~』だぜ。」
「あーあぁ…岳が羨ましいよぉーあんな子とヤレちゃうなんてさー俺なら即OKだね。…なぁー紹介してよ。番号は交換したんだろ?」
「誰がするかよ。メールとかくんのうざいし。」
「マジかよぉー…俺狙ってたのに…」
「止めとけ止めとけ、あの女はめんどくさいタイプだぞ。」
「なんでわかるんだよ。」
「たぶん男いるからな。」
「そーなの?聞いたの?」
「いや…ただ何となくね…でも間違いない。」
それを聞いた恭介は落胆して背を丸くした。