君のためにできること
コンサートが終わった後、僕たち、君と恭介と朱里は改めてお疲れ会と称して集まることにした。

「カンパイ!!」


僕たちはいつもの安い居酒屋ではなく、オシャレなダイニングバーで祝杯をあげた。

僕は君のあどけない笑顔に少し違和感があることに気がついだ。無理に笑っているような気がして、僕は余計な心配をしたりした。

「…もしかして彼と何かあった?ほら、僕たちあんな目立ったことしちゃったから…彼、僕のこと睨んでいたよね?」

「えっ、…何もないよ。ちょっと飲みに行くって言ったら渋られたくらいかな…」

君は必至になって悟られないようにしていたね。当初からうすうす感づいていたけど…君はやっぱりウソが下手だ。

コンサートが終わった直後に何かがあったことは、明らかだった。でも僕は君に話を合わせた。そして君はまた慣れないお酒を飲んで気を紛らわしたんだよね。

ほんのり酔った君はとても魅力的に感じた。
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