君のためにできること

「岳…うまくなったじゃん…」

僕と彼女はお互いの汗で濡れている躰で小柄な彼女が僕の胸の上に転がるような体制で休憩していた。彼女の胸の感触がなんとも心地よかった。

「そりゃーそれなりに経験してきたからな。」

「岳のことだから女の子悲しませてきたんじゃないの。」

「ん…否定はできないな…」

「やっぱりね。キスしようとしなかったし。おおかた、キスは本命の彼女としかしないつもりなんでしょ。」

ズバリ当てられて、僕は何も言い返せないでいた。
バツをくらったような顔をしていた僕に彼女は続けて言う。

「そっかぁー岳、今彼女いるんだ。じゃーあの時のあたしと同類じゃん。」

「い…、今はいないよ。」

「そーなの…じゃーその唇は誰のためにとってあるんだよー」

そういうと彼女は無理やり僕の唇を奪おうとした。

「よせ!」

僕はそういながら、彼女を制した。

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