君のためにできること
彼女は、作曲に行き詰った時や、自由を求め激しいセックスがしたい時は、覚醒剤を打っていた。

「これ、打つと最高なんだよ。セックスが曲を自由を与えてくれるんだ。」

既に覚醒剤を打っていたのか、彼女は興奮しながらそう言う。

「これって…だよな…」

「大丈夫だよ。分量さえ間違わなければ問題ない。だから岳も…」

きっと僕は、あの時、彼女といても浮かぶ君の笑顔を泣き顔を…必至に忘れようとしたんだ。このまま彼女の中に飲み込まれようと思った。

気付いたら僕はドラッグに手をつけていた。

今でもなお、強烈に脳裏に焼き付いて、忘れたくても忘れられない感覚。とても不思議な感覚だった。寝ることもせず彼女と一日中セックスをしていても、疲れがみえない。

はじめはそれだけだったのだが、次第にその感覚にも慣れてしまった僕は、どんどんエスカレートしていってしまったんだ。


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