鋭い抱擁

滑り台とブランコとシーソーと控えめに砂場があるだけの、普通の公園。

普通の道の脇に、おまけのように付けたみたい。

周りに家はないし、昼ご飯時なのもあってか人は誰もいなかった。

「真美と来たのは久しぶりだ。」

陽は嬉しそうな笑顔で、ブランコに腰を下ろす。

「1人で来てたの?」

「たまにね。」

空は雲で覆われて、5月とは言えまだまだ肌寒い。

陽の表情から感情は読み取れるけど、何を考えているかは全然わからない。



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