鋭い抱擁

「うん。」


陽はゆっくり歩きながら、帰る方向をマメに聞いてくる。

"真美"と親しい仲なら、家の場所なんて知ってるはずなのに。

陽の目は何も語ってくれなかった。変な汗が出る。私が一番怖いときは、陽がわからないとき。

「ここでいいよ。」


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