鋭い抱擁
メールも電話も毎日来るから申し訳なくて、今日あの日別れた場所で待ち合わせることにした。
覚悟を決めた。
「心配したよ、真美!急に休むから!」
陽は学校をサボって走って来たように見える。息が荒い。いつもの落ち着きが今は、ない。
落ち着きがない陽も、人間らしくていいなぁなんて思ってる私。思わずため息がもれた。
「俺のこと嫌になった?」
「違う。」
「じゃあどうして?」
「嫌にならなきゃいけないの。」
陽の呼吸が整い、静まる。私の心はざわめきだす。苦しい。
「ごめんね、理由がわからない。」
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