鋭い抱擁

「そうなるね。」

陽は怒鳴り声にひるむことなく落ち着いた様子だ。

陽の友達(?)は、真面目にやれよと言い残し人ごみへ消えた。

「さて…真美は何買う?」

当たり前のように笑顔を向けてくれて、不覚にも私の心臓が大きく跳ねた。

「…陽と同じの。」

少し照れてしまって思わず俯いたから陽がどんな顔をしたのかわからないけど、明るい声でトンカツ定食を買ってくれた。

はぁ。今日の私はよく喋るし、大胆だな。



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