小悪魔れんあい
だけど、その沈黙を破ったのは玲さんの手だった。
玲さんのその大きな掌はあたしの頭を優しく包んだ。



「麗ー奈ちゃんっ?気にしないで?」


「…え?」


あたしが顔を上げると、玲さんは今までの笑顔とはまた違う、優しい笑顔で笑っていた。



「あの時の麗奈ちゃんは、あんな態度で正解だよ?…逆にホイホイついてきたら、犯してやろーと思ってた」

そう言ってイタズラに笑う玲さん。



「…で、でも…」




あたしはまだ納得いかず、再び俯くと


「兄貴があぁ言ってんだ!気にする事ねぇよっ」


叫心はそう言って、あたしの頭を撫でてくれた。







うぅーっ!!

叫心ってば…!なんでそんなに最強にカッコいいのぉっ…!?


思わず泣きそうになる。






「いぃねぇ…。10代」


あたし達を眺める玲さんはポツリとニヤニヤ笑いながら言った。




「あ、兄貴!!変な気起こすんじゃねぇぞ!?」

「起こしませーん!ただ今度からのおかずは10代にするつもりなだけですー!」

「はぁ?お前、そんなんで偉そうにすんなよっ!」

「気の短い叫心よりマシですぅー!!」




玲さんの言葉に更に熱くなる叫心。
だけど、玲さんは逆にツーンとしている。




そんな正反対の二人の言い合いを聞いてたら




「あはっ……!…ははっ…」



思わず吹き出してしまった。




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