小悪魔れんあい
あたしの笑い声を聞いて、すぐに叫心とお兄さんは言い合いを中断して、あたしに目を向けた。
「え…?れ、麗奈?」
「ふっ…ふふっ…、やっぱ…何か二人とも似てる気がする…ふっ…あははっ…」
あたしの笑いは止まる事を知らず、段々と激しさを増していく。
だ、だって…!
やっぱ兄弟だなって感じがして、すごく面白い!
「…これぞまさしく…鶴の一声だね?」
後ろからそう言う玲さんは、可笑しそうに笑っていた。
見たことない叫心を見れて嬉しいのと、そんな叫心をもっと見ていたいと思う自分がいる。
…こんなに好きになるなんて思ってなかったから。
すごくすごく、叫心に対して独占欲が激しくなる。
こんな叫心はあたしだけが見れるんだ、あたしだけの特権なんだって思うと…嬉しくなる。
本当に叫心の彼女になれたんだって…、嬉しくなる。
「さ、落ち着いた事だし…叫心達も部屋行ったら?」
「兄貴は?」
「俺はちょっと出掛けてくるわ」
玲さんはそう言うと、バイクのキーを指先で振りかざしながら靴を履き替え、外に出て行った。
「…部屋行くかっ…!」
「うん、そーだねっ!」
叫心にそう言われて、あたしと叫心は部屋に向かった。