小悪魔れんあい
「きょ、きょ、叫心!?」
「驚き過ぎだっつ~の…!」
えぇぇぇぇ!?
な、何で叫心がこんなとこに…?!ってか、何でバレちゃってるの~!?
「お前、声丸聞こえだから」
叫心は"あっつ~"といいながら、近くにあった机の上に座って、襟元で微かに掻いている汗を拭った。
練習後なのか、少し息切れしていた。
そして着替えは終わってないみたいで、練習着のままだった。
「でも、叫心何でわざわざここに?」
「そりゃ、学校だからって女一人でこんなとこにいたら危ねえだろっ」
そっけない叫心のその一言。
そして付け加えられる"夜の学校だし…"という一言。
その言葉は確実にあたしの胸を暖かく包んだ。
「叫心大好き~!」
そっけなくしながらも、やっぱりあたしの事心配してくれてたんだっ!!
嬉しい嬉しい嬉しいーっ!
やっぱり、叫心は優しいんだよ!…特にあたしだけに!
っていうのは、内緒にしておこっと。調子乗って叫心に言うと絶対怒るから。
あたしは目をキラキラと輝かせながら、ガバッと叫心に抱き着いた。
「おいっ!汗臭いんだからくっつくなよ」
「叫心全然臭くないもん!むしろ、良いニオイ!」
「お前、変態かよ…」
「叫心、ひどいっ!あたし、変態じゃないもん!」
「わぁ~ったよ。…だから、早く着替えさせて」
「ついていく~っ」
「…!?、何言ってんだっ!」
放課後、静かなハズの校内にあたしと叫心の戯れる声が響き渡った。