小悪魔れんあい
おい…。
何やってんだよ…?人の女に、何当たり前かのように手を出してるんだよっ…!
「…んっ!んー!!」
麗奈は苦しそうにしている。そして、バシバシっと暁羅の胸板を叩いている。
その瞳からは大粒の涙が。
ああ、苦しいんだとすぐに分かる。
俺の意識はもうぶっ飛びそうで。だけど、ここでぶっ飛ばすわけにもいかなくて。
とりあえず、身体は本能的に動いていた。
「…お前…、…暁…羅、何やってんの?」
俺はゆっくりと半開きだったドアを全開にして、教室へと足を踏み入れる。
そして暁羅もそれに反応して、麗奈から唇を離した。
やっと息が出来るようになった麗奈は大きく酸素を吸い込んだ。
「きょっ…ゴホっ、しん!」
だけど、話そうとすればするほど上手く呼吸出来ず、時々噎せてしまう。
俺は麗奈のもとへ駆け寄り、背中を擦ってやる。
目の前にいる暁羅は、冷めた表情で俺達を見ていた。