小悪魔れんあい
「そういや麗奈、今叫心狙ってんだって?」
「そうだけど…何?」
「い~やっ。けど、あいつなかなか落ちねえよ?」
「そんな事ないもん!暁羅みたい軽い奴より絶対マシっ」
暁羅はタラしたくもないくらい嫌いだし!
「またそんな事言っちゃって~!本当は俺の気引きたいんじゃねえの?」
「ち、違うもんっ!」
タラシにナルシの二点セットだ、あんたなんて!
何でキライな奴の気なんか引かなきゃなんないのよ!自意識過剰もいいところだ。
「ふ~ん?まっ、寂しかったらいつでも俺んとこ来いよ。相手してやるよ」
「絶対絶対行かないっ!」
行くくらいなら、死んだ方がマシ!絶対マシ!
「はいはい。んじゃ、後ろに怖いお兄さんが現れたから、そろそろ行くわ。」
暁羅は、あたしに背を向けてヒラヒラと手を振りながら、女の子と帰って行った。
「大っキライ!!」
あたしは暁羅の後ろ姿にあっかんべーっとしてやった。
…そういやさっき、怖いお兄さんがどうとか言ってたよね…?
慌ててバッと振り返ってみると、そこには確かに少し機嫌が悪い叫心が立っていた。
「叫心っ!!」
「待たせてごめん。…行くか。」
叫心は落ち込み気味でそう言って、先を歩き始めた。