小悪魔れんあい
「麗奈に会ったの!?」
「うん。今日道で偶然!」
マジかよ…。
麗奈の奴…ほんとに俺に何も言わずに帰ったんだ…。
「…どんな様子だった?」
「叫心嫌いって言ってた」
「ウソだろ!?」
「ウソです」
「…」
こんにゃろっ!
絶対面白がってるにちがいない!だって、さっきから口元がめちゃくちゃ笑いたそうにピクピクしてる!
「あんま不安にさせるなよ、麗奈ちゃんを!」
「…おう。分かってる…よ」
「どうせ、真実にしつこくつきまとわれたんだろーが」
さすがお兄様。
よくわかってらっしゃいます。
「兄貴が真実の相手してやってくれよ…」
「真実は俺のこと根っから嫌ってるみたいだからね…」
はっはっはーと、なぜだかわからないが思いっきり笑う兄貴。
確かに。
真実は、昔は俺よりも兄貴との方が仲がよかったのだけれど、あるときから。
全く二人は話さなくなってしまったんだ。
その理由は俺は全く知らないし、兄貴もこの通り。分かっていないみたいだ。
「とりあえず、麗奈ちゃんのこと大事にしなきゃ、俺が奪っちゃうから!」
「誰がさせるかよ!」
俺は兄貴にそう言って、自分の部屋へと向かった。
絶対、麗奈を離すもんか!特に、兄貴になんか絶対に渡したくない!