小悪魔れんあい

｢叫心、おっはー！｣

｢おー、はよ！｣


教室に入ると、雄大が挨拶をしてきた。


｢あれ、雄大君！真実に挨拶はー？｣


横からピョっと出てきた真実に、雄大は慌てて挨拶をする。もちろん、真実も満足した様子で挨拶を返す。


｢雄大聞いてよ～！叫心がね、今日は一緒にお昼してくれないって言い張るの！｣

｢え…、あはは。まぁ…そりゃあ叫心にも事情はあるさ！｣

｢何それー！真実は一人で寂しくお弁当食べとけって？｣

｢あ、いや！そんなこと言ってないでしょ！ごめんね！｣


少し機嫌の悪くなった真実に、必死にご機嫌をとる雄大。


なんでこの真実はこんなにもワガママで偉そうで。それに加えて、どうして雄大はこんなにも真実に下手にでるかって？


それは、真実の家に問題があるからだ。

真実の家の建物自体は別に俺らとなにも変わりがない普通の建物だ。


けど、真実の父親はヤバイ。真実が頻繁に海外と日本を行き来しているのは、真実の父親の原因でもある。


真実の父親は、日本じゃもう当たり前で。海外でも十分名の通っているある会社の社長。



真実はその社長の娘、つまり社長令嬢ってわけ。

だから、こんなにも偉そうでワガママを言いたい放題できるのだ。


真実の家の建物がごく普通なのは、親父さんがあんまり家にこだわらないタイプ…だからみたいだ。