小悪魔れんあい
「あ!そうそう!そうそう!」
「そうそうしつこいわよ!」
と、長塚さんにキツーイツッコミをウケながらも小林君は何か新たな話の話題を思いついたようだ。
「今度の土曜さー、全国大会の予選大会があるんだよなーっ!」
「あ、ほんとだ!忘れてた!」
「おいおい、叫心ー!忘れちゃ困るぜ!俺達は今それに向かって頑張ってるというのに…」
やれやれ困ったぜ、という感じで首を横に振る小林君。そして、それを冷たい眼差しで見つめる…いや、睨んでいる長塚さん。
「雄大は、どっちかっていうと邪魔なタイプでしょ」
「んな!?」
「足引っ張るんじゃないわよ、笹岡君の」
「んななな!?」
まるで二人で夫婦漫才をやっているかのように、すごくおもしろい。
だけど、こうやって長塚さんと小林君は言い合ったりしてるけど、本当のケンカをしてるとこなんて見たことがない。
むしろ、逆にいつもこんな感じだから仲が良いのかもしれない。
「真実もでたーい!」
「「はぁ!?」」
突然の真実さんの言葉に、叫心と小林君は揃って驚いた声を出した。
「何で女のお前が出れるんだよ!」
「女でも、男より上手だもーん!」
と、ジロっと真実さんが小林君と見つめると小林君はタラタラ…と冷や汗を流す。
「絶対お前は出させないからな!ていうか、出れないから!」
「叫心のケチー!」
ケチーケチーと叫ぶ真美さんを、叫心は一生懸命宥めていた。