小悪魔れんあい



今日の午後の授業もいつも通り終わり、あたしは自分の席で帰る用意をしていた。

今日は最後まで叫心の部活が終わるまで応援をする気で。


「麗奈!今日も笹岡の部活見に行くのっ?」

「愛っ」

グランドに行こうとしたあたしを呼び止めたのは、愛。

愛にはまだ、真実さんのことは言ってない。言うタイミングがなかったのもあるけど、やっぱりまだ"何か"されたわけじゃないから。



「見に行くよー!」

「そっかー!相変わらず仲良しねー!」

「えへへー!当たり前じゃん」


そういう言葉を言うのにも、胸がズキンと痛む。前なら平気で言えたはずなのに。

今は無理矢理言っておかないと…、そう思うようになってしまっている。


「じゃあ、あたし…行くね!」

「うん、最近一緒に残ってあげられなくてごめんねっ…!」

「いいって、そんなのー!じゃあね!」


最近愛の彼氏は、休みがたくさん取れるようになったみたい。だから今まで会えてなかった分、たくさん会ってほしいと思う。

愛には、彼氏と会うことを優先してって。そう言ったら、もちろん愛は怒ったけどそこは何とか説得した。


そういう理由で、今はあたしは一人でグランドにいる。


あたしは、愛と別れてからもう既に部活も始まる時間だったので、足早にグランドへと向かった。


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