小悪魔れんあい
真実さんについていき、到着した場所はどうやらいつも真実さんが部活の更衣に使っている部屋のようだ。
「あたしは着替えるけど、気にしないで座ってて」
真実さんはそう言って、がバッと勢いよく制服を抜いてあっという間に下着姿に。
いくら女同士といえど、やはりこんなにも大胆に脱がれると目のやり場に…困る。
「麗…」
「麗奈です」
付け足すように言うと、真実さんはごめんねと苦笑いを零した。
なんだ、普通の普通の女の子じゃない。
別に気にしてたような、変なとこもないし。むしろ、この笑顔から悪意は感じ取られない。
最初に会ったときよりも、すっごく好印象。
「…よかった」
「え?」
なんだか安心すると、ポロっと口から勝手に言葉が零れていた。
「あ、いや…その真実さんには嫌われてると思ってたから…」
「そうなの?どうして?」
「理由は、あたしもその…よく分からなくて…」
「そう、なんだ」
今度は、部活着を上から大きく羽織った。そして、履いていたスカートを脱いで、ズボンをはいていく。
「麗奈ちゃんって気にしがち、なんだね」
「…え?」
靴下もちゃんと履き替えて、靴も鞄からスパイクを取り出す。
そしてクスッと笑いながら、あたしを見た。
「じゃあ、…気付いてる?」
「……気付いてるって…?」
「あれ?わかんないかなー?」
嫌な、予感がした。彼女の笑みで。
この笑みは、好意なんかじゃなくて。
悪意なんだって、直感で分かった。