小悪魔れんあい
はぁ…はぁ…と息が切れるなか、俺は必死で麗奈を探す。
一人で帰らないように念を押しておいたけど、やっぱりどこか不安で。恐くて。
麗奈に何かあったら、俺…どうすればいいんだろう。そればっかりが頭の中をグルグルと回っている。
「どこだ…?」
学校からの帰り道を探していく。だけど、一向に麗奈の姿は見当たらない。
もうすぐ麗奈の家の前にたどり着くのだけど、麗奈はいない。どこにも、見当たらない。
そして、麗奈の家の前に。
到着したところで、俺はポケットから携帯を取り出して麗奈に電話をかけてみる。
だが、プルル…と音が続くだけで一向に麗奈が電話に出る気配がない。
そのまま電話に麗奈が出ないまま、留守電へと繋がった。そのところで、俺は電話を切った。
麗奈の部屋を見上げても、電気は点いていなくて部屋にいる気配がない。
ということは、まだ外にいる…ということなのか?
どうか、誰かと一緒にいてほしい。誰かと遊んでた、外でちょっと話してた…でいいんだ。
麗奈の無事を確認できれば俺はそれでいいから。
俺は再び、麗奈を探すために走り始めた。