小悪魔れんあい
そして麗奈を探し始めてから数分経ったころ。ある人通りの少ない公園にたどり着いた。
シーンと静まり返っていた、その公園。なんとなく、俺はその場所に立ち入ってみると、なぜだかわからないけど、ぞっと寒気が背筋に走った。
「…麗奈…?」
ぼそ…と、俺はそれだけ呟いて公園の奥へと足を踏み入れていく。
すると、どこからともなく。
女の人の「きゃっ…!」と、力なく叫ぶ声が俺の耳へとはいってきた。
俺は瞬間的にその声が、麗奈の声だと分かった。
そしてそのまま駆け足で声のするほうへ近付いていく。さっきから俺の心臓の音は高鳴ったままだ。
もう嫌な予感がして、額からは冷や汗が大量に流れている。
近付いていったその場所は、草が生い茂っていてちょうど辺りからは死角になっている場所。
そして、さらに隠すかのように数人の男達がその周りに立っている。
「おい、っ…何してんだっ…!」
俺はそいつらの肩を掴んで、思いっきり引っ張る。すると、男達はなんだぁ?と邪魔された怒りを含んだ表情で俺を睨みつけてくるが、その先の光景を見た俺は言葉を発することが出来なかった。
男達の先にいたのは、一人の男に服を引きちぎられ今にも犯されそうになっている麗奈の姿があった。
「きょう、しんっ…!」
目にいっぱい涙を溜めて、俺を見上げる麗奈。
カァっと、頭に血がのぼった。もうわけも分からず、俺はその麗奈を犯そうとしている男に近付いていく。
後ろから、他の男達に腕を掴まれ引き止められるけどもうそんなの関係なしで。
今の俺は、麗奈を助けることが最優先。
周りを見ている余裕なんてなかった。