小悪魔れんあい
「あ、そうそう。今日放課後付き合ってあげれるんだけど、どうする?」
愛の言葉に、ドキッとする。
きっと叫心の部活の応援のことだと思う。愛とはずっと一緒に応援に付き添ってもらっていたから。
最近は愛が彼氏と会ってたから、あまり一緒に残ることはなかったんだけど。また彼氏さんが忙しくなって、時間が出来たみたい。
でも。とあたしの心は戸惑う。
「いいよ、一人で平気!」
「え?何でよ、一人じゃ帰りとか危ないじゃん」
「大丈夫だって。叫心と一緒に帰るもん!」
強がって、笑顔を見せる。すると、愛は嬉しそうにそっかと笑ってくれた。
あたしの、うそつき。
一緒になんて、もう一生帰れないのに。何言ってるんだろう。
「でも、いつでも付き添うから言ってね」
「うん、ありがとう」
瞬間、言いそうになった。
別れちゃったの…と、口が勝手に動きそうになった。
それくらい、きてるんだ。思った以上のショック。しばらくこれは、立ち直れないかもしれない。
それくらい、大切だった。叫心という存在が、あたしにとって、それくらい大きな存在だったということ。
あんな良い人、これ以上探したっていない。
あたしにはもったいなかった。
ただそれだけのこと。あたしは、幸せだったと。
そう思わなければ、ならないんだ。