小悪魔れんあい


「おい、麗奈!叫心追いかけようぜ!」

「!?」


あたしの腕を引っ張って、教室を出ようとする暁羅。


「だめだよ、暁羅!今の言葉は、叫心なりの優しさ…だからっ…」

「何言ってんだよ!おかしいだろ、あんな態度だったのに…最後だけっ…!」


そういいかけて、舌打ちをして地面に座り込む暁羅。

「麗奈。…お前…いいのかよ」

「……え?」

「お前と叫心の絆って、こんなもんだったのかよ…!」



見たことがない暁羅の悔しそうな表情。バスケの時もすごく悔しそうだったけど、これほどまでの表情は見たことがない。


「叫心といる時の麗奈は、一番輝いてたっ…!」

「っ…!」

「一番っ…幸せそうだった…!!」



あたしのために、暁羅は怒ってくれている。
だけど、あたしは暁羅のそんな好意に応えられそうにもない。


会いに行きたくても。今すぐ後を追いかけたくても、体が動かないんだもん。


これ以上近付いて、また拒絶されるのが…恐いんだもん。



これ以上あたしは嫌われたくないの。
叫心に、拒絶されたくないの…!




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